未来法により市街化調整区域での工業用地造成が可能となりました
地域未来投資促進法に基づく支援措置の活用 して、岡山市南区藤田地内において、未来法の「重点促進区域 」(藤田工業団地と西側農地を含む )の指定(土地利用調整計画の承認)が、令和7年10月10日に決定しました。
10月22日には、良金工業株式会社の「地域経済牽引計画」が正式に承認されました。
これにより、上記の土地は市街化調整区域の農地ではありますが、工場用地として利用できることになりました。
地域未来投資促進法とは
「地域未来投資促進法」とは、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者に対する相当の経済的効果を及ぼすことにより、地域における経済活動を牽引する事業の促進のために制定された法律です。つまり、経産省による、地域経済の活性化を促進するために制定された促進法なのです。
この法律を援用することにより、事業者はさまざまな支援措置(税制優遇等)を受けることができます。土地利用に関するコンサルティングを行う我々としては、支援措置の一つ「地域未来投資促進法における土地利用調整への配慮」という支援措置に焦点を当て、この法律を見てみたいと思います。
地域未来投資促進法における
土地利用調整への配慮
各都道府県が定める基本計画の中で、重点促進区域に定められた区域内では、農地法や都市計画法の規制が緩和され、市街化調整区域の農用地区域であっても、物流施設の建設が可能となります。また、未来法の重点促進地区に指定されるとともに、地区計画の区域に設定されると、通常、市街化調整区域では認められない賃貸による物流施設も建設可能となります。
実際の手続きでは、事業者が「地域経済牽引事業計画」を都道府県に提出し、都道府県・市町村と協議をしながら、重点促進区域の設定・土地利用調整計画の策定を行い、その後、上記計画の承認を受ける形となります。
※上記の資料は 経済産業省のHP内にある
「未来投資促進法の支援措置の一覧表」 から引用しております。
農地転用許可等の手続きに関する配優
通常、優良農地(一種農地以上の農地)での開発行為による農地転用の許可は、原則的に不許可です。また、農用地区域に指定された区域では、区域を解除しないと農地転用ができません。
「重点促進区域」が設定された区域(同時に「土地利用調整計画」が策定された区域)では、農地法の規制が緩和され、農用地区域でも、一種農地であっても、農用地区域の解除、農地転用が可能となります。
ただし、事業者が「地域経済牽引事業計画」を都道府県に提出し、承認を受ける必要があります。
市街化調整区域の開発許可関係の手続きに関する配慮
通常、市街化調整区域での物流施設は、特積倉庫や物流効率化法を援用した特定流通業務施設以外では、原則的に建設できません。地区計画が定められた区域であれば、建設可能となりますが、物流施設の建設を目的として自治体に地区計画の策定を相談しても、なかなか理解を得られません。
事業者が「地域経済牽引事業計画」を都道府県に提出し、「重点促進区域」が設定(同時に「土地利用調整計画」が策定)され、牽引事業計画が承認を受けると、物流施設の建設が可能となります。また、地区計画の協議を行う際、未来法を援用して進めていくと、自治体の理解を得やすくなります。
地域未来投資促進法を援用した開発行為について
地域未来投資促進法では、成長ものづくり分野や観光分野、農林水産・地域商社、第4次産業革命分野、スポーツ・文化・まちづくり分野、ヘルスケア・教育サービス分野、環境・エネルギー分野など、さまざまな分野を対象にしていますが、ここでは物流施設について説明いたします。また岡山県での資料をもとに説明いたします。
◎地域経済牽引事業の承認要件
未来投資促進法では、まず事業者が「地域経済牽引事業計画」を都道府県に提出し、都道府県の承認を受ける必要があります。認定を受けることが出来る承認要件は右の①~⑩までの事業です。(岡山県が定めた基本計画)
物流施設については、⑨の「広域交通網のクロスポイントのインフラを活用した物流分野」という項目に該当します。
「地域経済牽引事業計画」 を進める上で、「都市計画法における配慮」「農地法等における配慮」が必要な場合は、県で「重点促進区域」の設定・市町村で「土地利用調整計画」の策定を、行わなければなりません。市町村の土地関連部局との調整が必要となりますので、県や市町村の産業振興部局と相談の上、進めていくことになります。
上記は岡山県企業誘致・投資促進課が発行した「岡山県作成のチラシ」より引用しております。詳しくは、岡山県企業誘致・投資促進課 HP内の「地域未来投資促進法による支援」のページをご確認ください。
◎物流施設の開発行為
未来投資促進法では、都市計画法における配慮として、5つの要件について許可して差し支えないものと位置づけています。 その中の一つ、(ⅰ)流通の結節点「高速自動車国道などの流通を結節する 機能を有する社会資本等の近傍に立地する 食品関連物流施設 」という項目があります。(食品関連物流施設:冷蔵・冷凍倉庫)が対象です。
この項目より、(地域経済牽引事業計画」の承認を受けることができれば、 国土交通省 「開発許可制度運用指針」1-7-1.都計法34条14号の運用(12)の 「承認地域経済牽引事業計画に基づき整備される施設 」として、市街化調整区域でも、開発許可の対象となります。
◎上記以外の物流施設(普通倉庫等)の開発行為
また、令和4年12月の運用改正により、(ⅳ)(ⅴ)が追記されました。
(ⅴ) 地域における産業立地の推進のために必要と認められる区域 「地方自治体が高速道路のIC又は幹線道路に近接して定める区域において立地する物流施設)という項目があります。これにより、食品関連の物流施設以外に普通倉庫等も未来法による開発行為の対象となります。上記の区域については、地方自治体での判断となりますので、地自体により(ⅴ)の規定について、対象になっている訳ではありません。
◎物流施設(貸倉庫事業)の開発行為
都計法では、市街化調整区域での「その他開発」(貸倉庫等)による開発許可を受けることは原則、できません。
自治体により、建物所有者と倉庫事業者を並記により貸しの形態を認めているところもありますが、大手ファンド等による貸物流施設の形態(その他開発)は、認められないと思われます。
上記の形態の物流施設を市街化調整区域で建設するには、都計法34条10号の「地区計画内の施設」で開発許可を取るしかありません。その際、農振・農地法が許認可上、障害となるために、未来法を援用して行います。
岡山市での事例
岡山市では、R7年12月までに4箇所で、
『重点促進区域』に設定されました。
◎御津高津地区 (R5.1.13)
- 敷地:12326㎡
- 倉庫:3876㎡
◎九蟠産業団地地区(R5.1.13)
- 駐車場:5463㎡
◎松尾・大窪・辛川市(R5.12.26)
- 敷地:71203㎡
- 倉庫:38025㎡
◎藤田工業団地地区(R7.10.10)
- 敷地:15005㎡
- 工場:4095㎡
重点促進区域指定の手続きについて
当事務所では、藤田工業団地の隣接地の農地を工場用地にするために、重点促進区域の指定手続きを行いました。その手続きの流れは下記のとおりです。
◎県、市の担当者への相談・協議
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◎地域の関係者(町内会、連合町内会、水利土木委員、農業委員、周辺住民)事業事業説明
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◎県へ地域経済牽引事業計画の事前申請書を提出
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◎市からの地域関係者への土地利用調整計画についての確認作業
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◎県から国への基本計画変更申請
(重点促進区域)(国による同意)
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◎市による土地利用調整計画の承認手続き(県による同意)
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◎上記の決定後、県に地域経済牽引事業計画の正式申請を行う
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◎地域経済牽引計画の承認通知書